特集

日本映画監督協会 会員名鑑

監督協会 声明文

個人情報保護法案に反対します
2001年7月18日 (協)日本映画監督協会

前・通常国会に上程されて継続審議となった「個人信報の保護に関する法律案」は、コンピューター杜会における個人情報の不当な流失・利用から個人のプライバシー権を保護するという建前をかかげながら、その実、個人情報を権力が徹底的に管理し、個人情報を扱う団体(企業)を「認定」し「認定団体(事業者)」にさまざまな義務を課し、遺反を処罰するという内容になっており、まさに権力による"個人信報管理法案"となっています。

プライバシー権は、市民個人が主体となってそれを守ることができる社会こそ必要なのであって、今回の「個人信報保議法案」のように、権力によって息苦しく、がんじがらめに管理されるような杜会であってほしくありません。

同法案は、「認定個人信報保護団体」あるいは「個人信報取扱事業者」を政府の統制下におくことにしながら、マスコミ界からの強い要望を入れて、放送・新聞・通信などの報道機関が報道目的でプライバシーをあぱくことは規制対象としないこととしています。しかし、どの新聞までが、どの記事までが「報道」と認定されるのか、はなはだ曖味な規定となっており、マスコミはいよいよ政府に取り込まれ管理されることにならざるを得ず、解釈によって「報道」ではないと認定されれば、われわれの表現が規制・処罰されるおそれがあります。

これは、われわれ映画監督にとって明らかな表現規制の法律であります。法案は、個人情報を定義して「特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう」としています。われわれフリーの映画監督が、時事に即したドラマを創作して、それが特定個人を「識別する」と「主務大臣」に認定されれば、規制・処罰の対象となるおそれがあります。われわれは、戦前の国家による、「映画統制」を想起せざるを得ません。 また、「個人情報は、適法かつ適正な方法で取得されなけれぱならない」「本人の同意を得ないで、利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない」「利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない」などの条文は、結局のところ、公人や権威者の個人信報を批判的に表現することを封ずる効果を目的としているとしか思えません。 われわれは、表現の自由こそ、自由で民主主義的な社会の基本であると認識しています。表現の自由を侵す動きに対しては、断固反対しつづけます。

以上