
中江祐司監督 『ナビィの恋』『ホテルハイビスカス』
中江さん、あなたの台本見せてください

中江裕司さーん、あなたの台本、送ってくださーい!
我がウェブサイトの依頼に、沖縄在住の中江さんが快く台本を送ってくれました。
という事で、中江さんにメールでインタビューしました。
中江裕司
1960年京都生まれ。琉球大学入学を機に沖縄へ移住。学生時代より8ミリ作品を発表。卒業後、映画製作集団「パナリピクチュアズ」を結成。92年、3話オムニバスの『パイナップル・ツアーズ』の一篇『春子とヒデヨシ』を監督。沖縄の役者、芸人を起用して若い世代のナマな沖縄をポップに描き、日本映画監督協会新人賞をはじめサンダンス映画祭審査員特別賞などを受賞。ベルリン映画祭、ハワイ映画祭など世界各地の映画祭に招聘され、高い評価を得た。94年の『パイパティローマ』では独特の死生観を描き出して話題となり、平良とみ、登川誠仁を主役に迎えて沖縄民謡やケルト民謡をふんだんに使った99年の『ナビィの恋』は全国的なロングラン大ヒット。NETPAK賞を受賞したベルリン映画祭ほか、世界10カ国以上の国際映画祭に出品された。ほか、TVドキュメンタリー作品『琉球の魂を唄う』、宮沢和史のミュージッククリップなどを演出。最新作は石垣島に実在のおじぃ・おばぁバンドの活動を追ったドキュメンタリー『白百合クラブ東京へ行く』、『ホテル・ハイビスカス』。
送ってきたのは『ナビィの恋』準備稿
『ホテル・ハイビスカス』準備稿
そして黄色いファイルで綴じられた『ホテル・ハイビスカス』決定稿
どれにもでっかく【中江用】!
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Q:中江さんといえば沖縄というイメージを強く感じるんですが、沖縄へのこだわり、魅力、沖縄を舞台に映画を撮り続ける中江さんのその原動力について聞かせてください。
中江:別に沖縄にこだわっているつもりはないです。自分が住んでいる土地として愛着はありますが。ただ、大学入学のために沖縄に来て、それまで京都で育った価値観がまったく通用しなかった。それ以来、沖縄にもう一度育てられた感じです。
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『ホテル・ハイビスカス』
準備稿
Q:まだ観てない人の為に『ホテル・ハイビスカス』について教えてください。
中江:小学校三年生のワンパクな主人公・美恵子を、本物のワンパクな小学校三年生が演じています。子供たちがワンパクでいられるのは、家族、地域や村、祖先の霊、自然の精霊たち、ありとあらゆるものたちが、子供を宝として守っているからです。アメリカ軍の基地のそばにあるホテル・ハイビスカスに住む人たちは、アメリカ、日本、沖縄の複雑な社会の狭間で生きざるえないのですが、また彼らの世界は、子供を守る豊かな世界でもあります。その中で生きるウーマク(ワンパク)美恵子と共にこの映画を楽しんでもらえればと思っています。
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中江:映画のフィルムは、横長の画面が縦につながっています。それゆえに、台本は横書きにして、その横に絵を書きます。そうすると映画フィルムに近い感じになります。現場的には、撮影日の一日分だけをコピーして、ホッチキスで止めて、ポケットにつっこんでいます。ゆえに、印刷台本以上に邪魔になりません。印刷台本は、厚すぎてポケットにつっこめないので、現場では好きではありません。
Q:逞しくて元気で素敵な映画だと思いました。その理由の一つに魅力的なキャラクター達にあると思うのですが、そのキャスティングにおける中江さんの姿勢、基準、秘密?について教えてください。
中江:実際に役柄に近い生き方をしている人をキャスティングします。それは、役者さんでない場合もあります。演じている姿より、その人の生き方が出ている方が好きです。
Q:子供のオーディションはどうでしたか? その中から選ばれ主役の美枝子を演じた穂波さんは最高に魅力的でした。彼女を見ているだけで気持ちがワクワクしました。他のインタビューで読んだのですが、彼女の成長を楽しみにした、恋に近いものを感じていたと読みました。穂波さんについて語ってもらえますか?
中江:出演者の事は、みんな大好きです。穂波さんだけではありません。穂波さんは、気持ちをたくさん持っています。その時の主人公の設定を説明して、彼女がわかったと言えば、すばらしい存在感を示してくれました。私は、ただ彼女をニコニコして見守っていればよかったのです。
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人物の動きとカメラポジション
Q:クランクインまでの台本上の演出プランと現場での演出の違いについて教えてください。演出する上で一番気をつけている部分は何ですか?
中江:他力本願。監督は現場では何もしない方がいいと思っています。
Q:原作と映画の違いについて教えてください。
中江:人を楽しませる姿勢に違いはないと思います。
Q:替え歌を始め、映画の中に唄が沢山出てきますが、音楽、唄へのこだわりについて教えてもらえますか。
中江:沖縄に住んでいますので、音楽や歌が日常的にあります。幸せなことです。歌は、直接相手に気持ちを伝えられる素晴らしいものだと思います。
Q:同じ監督として、沖縄で活動していくという事が実感としてよくわかりません(笑)。沖縄以外での作品(例えば都会を舞台にしたような)を企画する事はないんですか?
中江:私は職業は、映画監督ではなくてサービス業だと思っています。沖縄では映画の仕事は少ないですが、人を楽しませる仕事はたくさんあります。あらゆる仕事を自営サービス業として断らないようにしています。
沖縄以外での仕事もやるつもりです。ただし、やらせてみたいと思うプロデューサーの方がおられて成立する事ですが。
Q:これからの活動、作品予定を教えてください。
中江:映画関係では、何のあてもなく、脚本を書いています。これは、常にやり続けている作業です。
今年は、サッポロビールの生搾りという発泡酒のCMを一年間撮り続けています。これも、テレビを見ている人を楽しませる大切な仕事です。
石垣島の長寿バンド「白百合クラブ」の、CDとDVDの発売のプロデューサーと、7月行われる中部・関西ツアーの付き人をやります。
プロデューサー兼付き人(笑)。素敵です。サービス業だと自負する中江さんの姿勢もこれまた素敵です。楽しませるという仕事、なんですよね。今回メールでのインタビューでお会いする事はできませんでしたが、いつか沖縄で一緒に泡盛でも呑みたいと思っていますその時は唄付きでよろしくお願いします(笑)。