
集団殺人クラブReturns
集団殺人クラブReturns

2003年7月27日 夏なき夏の夏日の伊豆

演出をする石川均監督

林を逃げる女子高生
追いかけ撮影する下元哲カメラマン

謎の殺人鬼、タケゾウ(遠藤憲一)に捉えられる女子高生

巨大滑り台を導かれるように滑る女子高生

鎌で待ちかまえるタケゾウ

ポーンと飛んでます、首!

自分の首とハイ、ポーズ!

自然の中での合成用撮影

壁に貼られた絵コンテ

死体を準備するスタッフ

ウェブサイトの秋号更新に合わせたようなグッドタイミングで10月に公開される作品「集団殺人クラブReturns」。
今作品は2003年5月3日に公開され、カナダのファンタスティック映画祭にも出品された「集団殺人クラブ」の続編で、前作が好評の為すぐさま次作として企画、製作されました。
監督した石川 均監督のお宅をウェブ秋号の編集長であり、この「集団殺人クラブReturns」の撮影現場もレポートした高原秀和さんと一緒に鳥井が訪ねインタビューしました。
全編をプロ仕様でない、いわゆる普通のデジタルビデオで撮影しているのと、編集作業がノンリニア編集(パソコンに映像を取り込んで編集する)で、しかも自宅にてご自身のパソコンで編集しています。もうそんな時代到来なのかと驚きつつその辺も興味深く話をうかがいました。
インタビューは石川さんが作業する部屋で行い、その際編集作業に携わっている助監督の谷 洋平さんにも同席して頂きました。
石川さんはインタビュー中、写真を撮る時になるとおもむろに愛用のギターを取り出し、ご満悦の笑顔を見せてくれましたよん。
鳥井:「集団殺人クラブ」「集団殺人クラブ Returns」を一言で言うと・・・
石川 均監督(以下石川): まぁ、へたれホラーなんですよ・・へたれホラーと言っちゃあれなのかな、ホラーなんだけど、ちょっとこういうおかしいところもあるっていう・・・そういう狙いなんですよ。企画自体がそういうので、非常にありがたいんですよ。
鳥井:いきなりですが、今作品の見どころは?
石川:そうですね・・・
鳥井:「1」で圧倒的な存在感を見せた遠藤憲一扮する『タケゾウさん』はこれからどうなっちゃのかっていうのは?
(何故か部屋中 爆笑・・・それだけの存在感『タケゾウさん』)
石川:作っている側も分からないタケゾウの正体(笑)・・・やっていることも分かってないんです。タケゾウって何やってるんだ・・・何も決めてないんです。
鳥井:自然と醸し出されてくるだろうと・・・
石川:前回ともキャラクターが違うんですよね。今回はただのトウモロコシ屋のオヤジ。トウモロコシを女の子に売るんだけど捨てられちゃう。それを見てガーンと怒っちゃって絡むっていう。車に轢かれたあとはまた変わるんですけど・・・
鳥井:「Returns」を・・これを作るうえで念頭に置いたことはありますか?
石川:さんざん最初は悩んだんですけど、みんなで。続き物にするのか、キャラクターはどうするんだとか・・やめようと。さっぱり忘れてタケゾウという名前だけで・・・パラレルワールドでいいんじゃないかと。前作はドランクムービーを目指したんですよ・・・ドランクムービーって二日酔いみたいな感じってことでね。で、今回はもう少し本格的というか正統派に寄っているんです。だからもっとホラーっぽく怖くはしてますね。ただ笑いの要素は残してます。
鳥井:撮影実数は?
石川:今回は10日ですね。前回は凄かったな、8日で撮って小物を延々ごちゃごちゃ3日か4日撮っていたんじゃないかな。
鳥井:私も最近すごく興味があるノンリニア編集のことを少し聞きますが、これはFinal CutProっていうソフトで編集しているんですよね。
石川:そうです。
鳥井:その他のソフトも兼用して?
石川:いえ、これだけですね。前回はいろいろゴチョゴチョやったんですけど、今回はこれだけでいけそうですね。
鳥井:メリットは一杯ありそうですが、デメリットというのは?
石川:いいとか悪いとか全部やれちゃうってとこじゃないですかね。結局延々この二人(助監督の谷さんと)でやってますから。
鳥井:外でやってると、「今日はここでお疲れ」なんていって酒飲んでまた明日っていう具合にインターバルが出来ますが、家にシステムがあると思いついたらパソコン起ち上げて・・・ってやりそうですね。やはりやっちゃいますか?
石川:そうですね、出勤時間っていうのがないから・・
鳥井:あとは気になったら気になったで、ずっと相当細かいところまでいくでしょうけど、そういう細かいところまでこのソフトはいけますか?
石川:やれますね。こういう便利なのをどっかの誰かが考えて作ってくれたんだから使わない手はないですよ。やっていいよっていう器械があるんですからね。
鳥井:ちなみに(パソコンの)メモリってどの位積んでいるんですか?
助監督 谷さん(以下 谷):1.5ギガくらいですね。

ノンリニア編集をする助監督の谷さん
鳥井:ハードディスクは?
谷 :180ギガの外付けハードディスクを使っています。基本的に編集するときは外付けを使わないと処理スピードが凄く遅くなるんです。
鳥井:180あれば現場で撮ったものを全て取り込んでおいて編集することが可能なんですか?
谷 :そうです。120ギガでも600分から700分くらいは取り込めますからこれでほとんど問題ないです。
鳥井:これで編集作業をしたあとにいわゆる製品化するための流れは?
谷 :基本的に本編は要らないっていう状況です。色調整などもここでやるんです。画のカンパケまでやってMAだけは・・音だけはちゃんと調整するということです。
石川:色のことも相当気にするようになりましたね。スタジオに持って行って色調整とかやるっていう方法もあるんですが、今回はやらないで全部ここでやります。
鳥井:前回は編集の方の名前がありましたが・・えっとー
石川:ああ、だからあれは僕らの(谷さんとの)・・・名前なんですよ。
鳥井:共同名前ですか?何でしたっけ?
谷 :「駒込じみち」です。
石川:もう泊まり込みでね。延々泊まり込みで最低でも二週間は完全に帰って来なかったですね。
鳥井:それは何処で?
石川:駒込のスタジオです。トータル1ヶ月弱・・・合宿生活ですね。床で寝てね。近くに「じみち」っていう食堂が24時間やっていて(笑)そこしか行けなかったんで。
鳥井:それで「駒込じみち」・・ (皆、爆笑)

石川監督と鳥井
石川:で、今回は新たにパソコンを買ってシステムを作って、谷君のも持ってきてもらって家でやろうと・・
鳥井:合体作業で・・・
石川:そうなんです。パソコン2台体制で、もうちょっと要領良くやろうということでね。カット編集は二人でそれぞれ別々にやって1つにしていきます、そして色とかの微妙なカットの時はいろいろシュミレートしてやってます。
鳥井:撮影現場で撮ったらすぐ取り込むってことが出来るのですね。
石川:だから現場に持って行ったんですよ。現場に持って行って、グリーンバックでやったところ(鳥井註:合成画面素材を撮るときはグリーンの幕等を背後に撮影します。そうすることで後々合成作業がはかどるのです)を夜ちょっと試してみたりとか・・・これじゃ、ダメとかね。
鳥井:そういうメリットがあるんですね。
石川:そのうち始まるんじゃないですか、撮ってるそばからつないでね・・・それとクランクアップしても撮り足しが簡単に出来ちゃうんですよ、手元にビデオがあるからね。編集していて欲しいなっていうカット・・・役者がらみとかはもちろん無理ですけど・・・風景とか手のアップとかね、ちょっと外行って「撮ってきたよ」なんていって取り込んでもらったりね(笑)今回もまだ撮るんですよ。だから自主作品に近い状態でやっているんです。まぁでもこっちには締切りがあったり商売としてのがあるわけですけどね。
そうそう、「ハルク」観たんだけどすごいよね、CG。ホント人間以上の表情するしね。現場で監督がこうやってと動くでしょ、その監督の動きをCGにしてそれに肉付けしていって・・・
鳥井:役者いらなくなっちゃう?
石川:ねえ。
高原秀和監督(以下高原):でもそういうのしたくないでしょ?
石川:え?そういう仕事?
高原:そう。
石川:そういうの?・・・したいよ!
高原:嘘!?
石川:大好きだよーーー!
高原:やっぱ好きなんだー。
石川:したいよぉー大好きだよー俺!大好きだよぉー!
鳥井:CGが流行りはじめた頃、「これからは役者の正面横横後ろなんていう角度を撮っておけば何でも出来ちゃうね、もう現場に役者がいらない時代が来る」なんて言う人までいたけど、まさかそれはまだまだでしょう実際は?
石川:いや逆に役者がいなくても、もう顔作っちゃえるし・・・理想のキャスティングとかが出来ちゃう。
高原:嫌だな、そういうの。
鳥井:ワォ。
石川:嫌だとかじゃなくて、そういうのも好きだしもちろん役者さんの物も大好きだし、両方いいなぁ。
鳥井:ビデオ編集を自身でしていると例えばフィルムの時も自分でやりたいと思いますか?もっとも作品のモノにもよるでしょうけど・・・
石川:当然、作品のモノによりますよね。ホント完全に任せたいモノもありますしそうでないものもあるっていうことですね。フィルム編集は助監督で初めてついた時からやらせてもらってましたし。
鳥井:現在は二人で編集作業を行なっているわけですが・・・
石川:これはもうやんなきゃしょうがないし、そのシステムを楽しむってことしかないですね。
鳥井:客観視してくれる編集マンを交えてのやりとりも楽しいですしね。
石川:そうですね。例えば一切編集室に入らないでね。一切入らないでまったく撮り画のことを話さない。で、「気持ち」のことだけを喋って、またラッシュを観るっていうのも大好きです。今回のはこれでもう自分が器械になって・・・っていうシステムを楽しむことですね。
イメージをすくって人に伝えて、やらせて、OK、NG言ってやるタイプとこれはもう自分がそっちにいかないといけないタイプがあるんですけど、これからは両方必要だと思うな絶対に。
鳥井:監督協会のホームページの新着情報に載るにあたってメッセージを。
石川:バシバシ宣伝して頂いて・・・売れるとうれしいなぁと。
鳥井:いろんな媒体で宣伝してもらって一人でも多くの人に観てもらうのが一番ですからね。今日はありがとうございました。
(撮影風景写真/広報委員会 高原秀和 取材インタビュー/8.20 石川監督ご自宅にて/広報委員会 鳥井邦男・高原秀和)
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