このページの先頭です


特集

日本映画監督協会 会員名鑑

特集

表彰式

表彰式
同日 17:00
山形市中央公民館にて山形国際ドキュメンタリー映画祭・表彰式が行われた。

 

111106c02821.jpg

111106c02813.jpg日本映画監督協会賞の発表を審査委員長伊藤俊也監督から、プレゼンターとして崔洋一理事長がステージに上った。

 


 

 

 

 

 

 

111106c2785.jpg

伊藤審査委員長『発表の前に、私と一緒に審査に当たりました監督協会の会員でもある4人の監督を紹介します。大森立嗣監督、林海象監督、山本洋子監督、ジャン・ユンカーマン監督。そして私、伊藤俊也です

会場から盛大な拍手が湧き上がる。


111106c02817.jpg

 伊藤『今年度日本監督協会賞は、ダニエル・ルディ・ハリヤント監督「監獄と楽園」に決定いたしました。
選考理由を述べたいと思います。
本来原稿を読み上げるのは好きではないのですが、通訳さんに正確に訳してもらうため予めプリントを配布してありますので、読み上げます。
今回は、コンペティション部門に、「5頭の象と生きる女」という格調も密度も高い傑作があり、一方それとは対照的な作品でありながら、ほとんど劇映画に見紛う迫真の力作「アルマジロ」があったこと、さらにカフカ的不条理の世界(「城」におけるように許可証がいつまでも下りない状況、子息たちにとってはグレゴール・ザムザならぬ毒虫にでも「変身」するしかないような出口なしの状況)を今日の世界的矛盾が集中する都市の一つにおいて具現化して見せた秀作「密告者とその家族」があったことを、まず敬意をもって記しておきたい。
日本映画監督協会賞は、必ずしもナンバー・ワンに与えるものとせず、当の監督がある分野において、それがアクチュアルな世界であると否とにかかわらず、新しい地平を拓こうとする果敢な挑戦の姿勢を多とするものであり、監督自身の今後の可能性に期待して贈ることを旨としている。その点、ハリヤント監督「監獄と楽園」は、2002年のバリ島爆弾テロ事件に関して、被害者の家族はもとより加害者の家族をも冷静かつ包容力のある姿勢で捉え、特に双方の子供たちの描写において傑出している。しかも、この作品の目玉は、加害者であるテロ実行者たちの獄中における取材に成功していることである。この取材が、双方の家族たちとの仲立ちをしてくれた元ワシントンポスト記者と知り合う以前のことで、監督の独力によって実現されたということを聞き、正直驚いた。それだけでも感嘆に値する。そして、当の記者を謂わば死者たちの代理人として、加害者のジハード論議の矛盾を突かせるという役割を与えてそつがない。また、加害者の父親、被害者の妻からも冷静な反応を引き出している。以上は、ほとんど関係性の危険な領域にまで踏み込みながら、ドキュメンタリストに必要なもう一つの資質、ストイシズムをハリヤント監督が保持している証しであるだろう。「監獄と楽園」を顕彰すると共に、今後のダニエル・ルディ・ハリヤント監督に期待するものである。
ご本人はついこの間までこちらに来ていたのですが、本日10月12日と言うのが正にバリ島自爆テロ事件があった日でありまして、今日向こうで集会に参加されたりこの映画を上映会したりと言うところに参加しています。私たちの知らせに大変喜んでいまして、そのコメントが寄せられていますのでそれをご披露願いたいと思います

ハリヤント監督のコメントを、彼の友人であるヴラディミル・トドロヴィッチ監督(彼自身もアジア千波万波部門に「水手 Water Hands」を出品している。後に特別賞を受賞!)が代読した。

 

111106c02787.jpgトドロヴィッチ監督『本日、私はバリにいて2002年10月12日の自爆攻撃の犠牲者を追悼する上映会を行い、平和を訴えておりました。
数日間だけでは有りましたが、山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加することが出来てとても嬉しく思いました。日本流のもてなしの心についてまた、この映画祭を運営することに身を粉にして働くスタッフの方々のご苦労について多くを学びました。
津波の爪痕から復興する渦中にいらっしゃる日本の皆様に心からの応援を送ります。
また、「監獄と楽園」を上映するために訪れたデンパサールや、バリ・ムクドを始めとする、インドネシア各地の観客から贈られた温かい気持ちもお届けしたいと思います。
この映画で世界に訴えたかったのは、争いは被害者側にも加害者側にも大きな傷を与えると言う事です。作品の冒頭の列車のシーンは同じ文明によって牽引されている列車や機関車の乗る人類にとって、世界平和がどれほど大切な物かを示したつもりです。
この列車に乗って私たちが家に帰る事が出来ますように、そして争いに満ちた世界を救う事が出来ますように今日頂いた賞をバリの、そして世界中の暴力による被害者に捧げます。そして近い将来、平和と人間性に関するドキュメンタリー映画を共に創る日が来るよう願っています。
山形国際ドキュメンタリー映画祭の全てのスタッフ、審査員そして観客の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
平和への祈りを込めて、インドネシアより ダニエル・ルディ・ハリヤント

コメントに対し会場から大きな拍手が贈られた。

 

111106c02794.jpg崔洋一理事長よりトロフィーと副賞が代役のトドロヴィッチ監督に手渡された。
盛大な拍手の中、日本映画監督協会賞の表彰式は終了。

同日 19:30
山形国際ドキュメンタリー映画祭・表彰式全て終了。