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日本映画監督協会 会員名鑑

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表現の「」自由を語っちゃおう! 【6】

第六回 嗚呼、自主規制......


hyogen_6.jpg 見せるの? 見せないの?

 

内藤:映倫が細かくなったよね。R18、15、PG12と。


舞原:はい。


内藤:そうなってから逆にあの、どこまでいいんだみたいな、あれ。刺すとR18になるとか、血を見せるとR 15だとかなっちゃって、昔だと割と平気で刺して血がブチュッてなったのが、なんか、レートの関係でね。


井坂:今その刺すところも、もう刺す瞬間を見せたら完全にR18ですね。


ヤマサキ:ああー。


内藤:かえってだから厳しくなったのかなって。表現はできるんだけどレートが細かくなった分、非常にやりづらくなったなっていう。


井坂:あの、この前映倫との懇談会やった時も、一応ちゃんと文脈で映画の全体を見て判断するようには、映倫委員にも指示してますと言ってますけれども。


内藤:ただ、この間なんかの映画で、普通の洋画だったですよね。別に普通の良い話で、だけどこれはR15だったのか。「なんで?」と思ったら、これ(セックス)がある。腰が映ってるんですね。それだけのために。そのワンシーンだけのためにっていう。


井坂:現実に僕がこの前撮った映画はR15なんですけども、そんなに派手じゃないけど、まあ暴力シーンでとられたのかなと。でもそうじゃなくて、たまたまワンカット、ベッドシーンなんですけど乳首が映ってて、それでそれを触るだけです。そのカットでR15なんです。


内藤:そうですよね。おっぱい触ると今そうですね。


井坂:うん。「えっ?!」って。おっぱい映ってる映画なんていっぱいあるじゃない。


舞原:下(シモ)のみが駄目なんですね。


井坂:そう。でもそしたら昔の映画なんか全部R15になっちゃうよなー、なんて思って。全体の流れでそれが猥褻か猥褻じゃないかじゃなくて、とにかくそれが出たらすべてみたいな。そういうなんか馬鹿馬鹿しい不自由さ、不自由さじゃないですね、そうなるとお役所仕事ですよね。


ヤマサキ:えっ、でも、......すいません、R15とそのR18とかっていうのって、それは映倫が決めるんですか?


井坂:レーティングは映倫が決めるんです。


ヤマサキ:あっ、そうなんですか。


舞原:自主規制ですよね。


内藤:だから、一般映画にしたいならこのカットをはずしてくださいとか、あるんですよ。


舞原:法律ではないですよね。


内藤:法律じゃない。


井坂:法律じゃない。あくまであれは。


内藤:我々が作った機関ですから、映倫というのは。自主規制機関。


ヤマサキ:あくまでも自主規制。


井坂:ほっとくと国家権力から過大な干渉を受けるから、逆にこっちが防波堤になってるっていうのが映倫の建て前論なんですよ。我々は決して検閲機関じゃないってのが映倫。


内藤:だって『黒い雪』が最終的に無罪になったのは映倫が通ってるから無罪であるという。


井坂:ある意味、良い方便にも悪い方便にも使われてるんですけれども。だから逆に言うと「これだと映倫引っかかる」とか「これだとビデオコード、テレビコードに引っかかる」ってことを勝手にプロデューサーとかが言い出して、本当は違う理由じゃないのって勘繰りたくなるのに、あえてそういうことを言ってくるっていうのもありますね。まあ僕なんかそれこそテレビで『愛の流刑地』やった時なんかも「テレビでどこまでやっていいんですか?」って聞いたわけですよ。局は「もう極限までいきましょう」って。


ヤマサキ:ははは(笑)


内藤:テレビの極限か(笑)


井坂:で、だから結構ハードだった。これが段々おかしくなってきて、結局最初に言ってたプロデューサーも何となくおとなしくなってきて、もうね、これ撮り始めてからなの。撮り始めてるってことは本も当然ある。二話完結。二話目はほとんどラブシーンないんですけど、一話目はラブシーンの連続なんですよ。で、撮ってるうちに色々、局の考査から連絡があって、9時台のラブシーンは外してくれって。いやいや、台本読んでどう考えたってそれは無理だよって! (笑)


ヤマサキ:(笑)


井坂:たまたま季節狙いで頭にちょっとロケやって、二週間くらい中断だったんですね。その時にそういう話になって、じゃあこれ、もう今まで撮っちゃった物使って、なおかつラブシーンを10時台に下げて、ここの間に話作んなきゃってことになって、そっから大騒ぎして本書き直したんです。


ヤマサキ:へえ。えっ、でもそういう状況で間に合うもんなんですか?


井坂:いや、大変だったですよ、だから。


ヤマサキ:そうですよね。


井坂:もう本当に色んなことがあったんですけど、で、結局その、もうベッドシーンのところあとで言われるの嫌だから、そこだけ編集先にどんどん落として、で、これをもう見てくれと。局にどんどん渡してたんですよ。その時点では何にも言ってこなくて、じゃあっつってもうオールラッシュまでいって、オールも渡して、それこそMAも終えて、MAが終わった晩にまた局プロがきて「実は上がどうしてもこのカットが駄目だって言ってる」って。だからもうプチっと切れて。何のために一ヵ月も前にラブシーン渡してんだよって。


ヤマサキ:(笑)


内藤:いや前映倫でね、友だちのピンク映画の監督が撮った映画で、映倫で、オールラッシュでピンクの場合はチェックして、で、直して初号を上げて、だから初号審査ってのは画はもうOKしてるんですよね。ところが彼の作った映画で、オールラッシュでは文句出なくて、初号終わった後、なんか新人の審査員だった、映倫の。「ちょっと待ってください」って言ってしばらく経って、「ちょっとあのカットがちょっと......」って言い出したんで、もう彼ブチっと切れちゃって、だったらなんでオールラッシュの時に言わないし、これよりハードなシーンもっとあるわけですよ。それをOKで、なんでこのカットが駄目なんですか。結局もう通しちゃったって言いました。


井坂:ふーん。


内藤:新人の審査員でね、審査する方が戸惑ってたみたいで。


井坂:へえー。


内藤:困りましたよね。だって初号が上がってるのにね、切ってくれって言われたってそれは無理ですよ。


井坂:僕もだからそん時はもう頭きたから、その時のプロデューサーに「あなたは映画出身だから分かるでしょ。これはもうネガ切った状態ですよ」っつって。「なんでその前に言わないんですか?」って。


ヤマサキ:ははは(笑)


三島:逆に私この間『刺青』っていうのを撮ったんですけど、その時はその裸を見せる必要が全然演出上ないんですよ。なくて全然成立するんですけど制作会社側はそれを売りにしたいから、バストトップまでのカットまで入れてくれっていうのが逆に不自由だったっていう(笑)


内藤:ははは(笑)


井坂:はあー。


内藤:『刺青』は俺もう一本の方しか見てない。


三島:あっ、『~背負う女』の方をご覧になったんですか?


内藤:そうそう。あれ脚本家が友だちだったんで。


三島:あっ、はあ、そうですか。山村一間さんがされた。私はもう一本の方の『~匂い月のごとく』っていう方なんですけど。


内藤:あれも色々あったっつってた。もう、色々本人の意思に反したことは。


井坂:ああー。制作会社から裸を映してくれっていう、逆にね。


ヤマサキ:まあね、ありますよね。そこが売りだって言われればね。


内藤:企画自体がだってあれはねえ『刺青』を競作してやるという。しかも使ってっていうね。


三島:そうなんですけど、別に谷崎潤一郎さんの『刺青』は別にバストトップが映らなくても表現はできる。


内藤:ああ、うん。だからそこで谷崎の文学作品をやろうという意識ではない。


三島:なかったってことです(笑)


内藤:グラビアアイドルを使って脱がせて試写作品を作ろうって。そこに、たまたま谷崎さんをあてただけのことで。


三島:まあ、そうなんですね。


井坂:なるほどね。そっか。でも、もうちょっと露出をっていうのは確かにあるだろうしね。


ヤマサキ:ありますね。


三島:うーん。だから絶対に必要なシーンはやっぱり見せるべきだし、単純に言えば。必要ない時は必要ないしっていう純粋な作り方がまあやりたいだけなんですけど(笑)なかなかそれがこう、ままならないなっていうのは日々思いますね。


井坂:うん。でもそうなんですよね。あの、だからね、脱ぐ脱がないの話も本当になんか、わけわかんないこと言うじゃない。作品のために必要ならばとか言ったって。


ヤマサキ:(笑)


井坂:でも作品のために必要なのかどうかはこっちが決めるんだよってね(笑)


三島:そうですね。


井坂:まあだから作品のテイストによってこっちもどこまで表現するって、今ね本当に三島さんがおっしゃったように、必要あればやっぱりやってくださいって言うだろうし、必要なければね、そこまではっていう。

ヤマサキ:そうですね。


ドラマは現実より奇なり?!

 

井坂:まあでもまだね、映画なら話す時間があるじゃないですか。っていうか極端に言ったらまあ制作会社と監督でね、そこでシェイクハンドすりゃあそれ以上の文句はないけど。要はテレビだと現場的にはOKになってても、どっかで横槍が入ってくるって、その、ここから何枚の層をクリアしていかないと駄目なのっていう。


ヤマサキ:放送始まってから、途中からこう視聴率とかユーザーの声が反映させられません?


井坂:ああ、そういうのはありますよね。やっぱりその最近、双方向になって視聴者からすぐ......。


内藤:ああ、クレームがきて。


井坂:そうすると、なんかその、物を粗末にするなとかね。色んなこと言われて。でもそれは全体の流れを見て......。


ヤマサキ:途中までもう脚本もできてて制作もどんどん進んでる状況で、いやもう三話までの状況でこういうクレームが入ってとか、こういう意見がきてるから、これをもう少し反映させてもらえないかって。どうやって反映させるんだろうみたいな(笑)まあ実写はね、できるって言われる、僕らがよく言われるのは「実写だとできるんだけどな」って言われて(笑)


井坂:いやいやいや。


三島:できないですよー(笑)


井坂:実写の方がきついですよ(笑)


ヤマサキ:ああ、そうですか(笑)


井坂:それこそ例の兵庫の、神戸の事件とかあった直後に、これは僕、自分が経験したんですけど、それは連ドラで、ちょっとサスペンスがかってて、包丁持って追っかけ回すとかっていうシーンがあったんですけど。それもう撮っちゃって完パケもできちゃってるのに、もう一回全部撮り直しで。


舞原:ああ、酒鬼薔薇の時ですか。


井坂:そうなんですよ。


舞原:酒鬼薔薇の時、僕オンエア飛んじゃいました。


井坂:飛んだ?


舞原:援交した女の子がオヤジをぶっ殺すっていうシーンがあって。目玉をくり抜いて、中、はらわた出すってのを撮ったんですけど、アウトになっちゃった(笑)


井坂:それはちょっとエグイねえ(笑)


ヤマサキ:それは酒鬼薔薇じゃなくても(笑)


舞原:いや、それまではOKだったんですよ!


内藤:刃物が多いですね。


井坂:刃物が。やめてくれっていう話になって。


内藤:大林さんの『三毛猫ホームズの黄昏ホテル』、俺脚本書いてるんだけど、あれはナイフ、バタフライナイフが結構出てくんだけど、あれが最初にテレビ放映したんですね。で、後で完全版、劇場っていう。まあ劇場かかんなくてビデオで出たんだけど、テレビ版はもうバタフライナイフのシーン一切カット。ちょうどその直前にナイフでなんか事件が起きたんですよ。だからバタフライナイフのシーン、アップは全部カットしてます。テレビ版は。


舞原:『ギフト』ってテレビでは、キムタクがバタフライをガッってやる。それがカッコ良いっていうんでみんな持つようになっちゃって。結構揉めましたね。


井坂:ああ、それはありましたね。


ヤマサキ:そこらへん難しいですよねえ。CMになるとも取れるけど。見せ方でしょうね。......表現、表現の仕方によるんでしょうけど。


内藤:だからね、ある種テレビは規制されてもしょうがないのかなっていう。映画はやっぱお金払って見にいくから、それはもう見たい人には何見せてもいい。それこそもうポルノでも何でも見せてもいいんじゃないのっていう気はするんだけどね。