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新人賞贈呈式&懇親会レポート

 

【新人賞贈呈式レポート】  北川篤也(2006年度新人賞選考委員)



2006sinkon01.jpg 2007年6月22日、東京・五反田のイマジカに於いて、第47回(2006年度)日本映画監督協会新人賞の贈呈式が行われました。
今年度の受賞者は、「かぞくのひけつ」の小林聖太郎監督です。



2006sinkon02.jpg 選考委員の一人であった私は、ちょっと緊張気味の中、早めに会場であるイマジカ試写室へ。小林監督とは面識が無いのでご挨拶と思ったのですが、劇場選考試写には行けなかった私は、もう一度拝見したくてそのまま席に着きました。その後、多くの協会員、関係者もつめかけ、立ち見も出る中、まず記念の上映会が開かれました。
 この作品は、知る人ぞ知る大阪を代表する街(!?)、十三(じゅうそう)の商店街が主な舞台。「ブラックレイン」(!)にも登場したあの街を舞台に、自分が性病に罹ってしまったと思い込んでいる悩める高校生(童貞にもかかわらず!)とその家族のお話。といっても、そこは大阪が舞台。コテコテパワー炸裂の際だつキャラクターが物語をぐいぐい引っ張り、笑いの中にシニカルな視線も感じさせる作品です。
 私はビデオなどによる最初の選考会の時から、この作品を推していました。以後、幾度かの選考会を重ねてもこの「かぞくのひけつ」を推し続けたのですが、今日の上映中、スクリーンに映し出される映像を見ながら、自分の選択が間違いなかった事を確信する一方、私は自分の作品ではないにも拘わらず観客の反応が気になって仕方がありませんでした。
 選ぶという行為は、どうしても自分自身が投影されてしまうものです。別に、自分の選択を他人にどう思われようとも構わないのですが、何しろ、客と言ってもほとんどが協会員の"監督"。何とも知れない気分です。
私がこんな気分だから、ましてや選ばれた小林監督にとってはこんな居心地の悪い上映はなかったのではないでしょうか。
「勝手に選ばれて、こんな目に遭うなんて・・・」と思っていたかも知れませんね。
でも、おかしなシーンで、私の前に座っていた緒方監督(かつての新人賞受賞者)から笑い声が聞こえてきたのには、自分が監督作品でもないのに何故か嬉しかったし、それを皮切りにというわけではありませんが、後ろから観ていて客席の反応が徐々に見え始め、ホッとしました。



2006sinkon03.jpg 上映が終わって、引き続き贈呈式。
まずは、崔洋一理事長による挨拶があり、大林宣彦選考委員会委員長以下、石川均、私、長谷部安春、藤原智子、女池充の各監督が、司会の南場事務局長によって五十音順に呼び込まれてひな壇に並びました。ちょっと緊張していたのは、この贈呈式で各選考委員は選考理由のポイントをしゃべらなければならないからと言うこともありました。
 当然、大林監督がまず挨拶。となれば、次は石川監督、そして、私・・・という順で進むと思いきや、安易な予想をあっさりと裏切り、次に協会会報に選考経過報告を書いた女池監督を大林監督自ら指名。なんと、"司会"として仕切始めたのです。
 続いては長谷部監督、藤原監督がそれぞれ挨拶。何をしゃべろうかと緊張して待つ中、ふと、会場の一番奥で選考委員にじっと視線を向けて動かない、見慣れぬ顔を見つけました。それが小林監督であることはすぐに察しがつきました。時折笑顔を見せながらも、自分を選んだという連中が何を言うのかを聞いてやろうとしていたのでしょう。目の奥からは作品同様の匂いを何故か感じました。私の挨拶は緊張のあまり具体的な事は言えませんでしたが、ただ、同じ大阪生まれとして嫉妬を感じる作品であるということを言いました。私と同じくこの作品を強く推していた石川監督はあるシーンを具体的に挙げ、小林監督の演出力を評価されていました。
 各委員紹介の際にはそれぞれちゃんと枕言葉を用意する大林監督の名司会のもと、委員の挨拶が終わり、次は崔理事長よりの贈賞。今年は副賞として現金?万円も贈呈。



2006sinkon04.jpg 最後は小林監督の挨拶で幕を閉じました。後で聞いた話しだと、小林監督は挨拶のネタにとっておきのものを用意していたとのことでしたが、緊張したのかすっかり忘れてしまったそうです。
 その後の記念パーティーでは、同じ関西出身の大森一樹監督や、小林監督が「雪に願うこと」で助監督として付いた根岸吉太郎監督の温かい(?)お祝いと励ましのスピーチがあるなど終始和やかな雰囲気で盛会のうち終了しました。



2006sinkon05.jpg 監督協会の新人賞は"受賞式"ではなく"贈呈式"。監督協会の新人賞は作品賞ではなくあくまでも新人監督に受け取っていただく賞なのです。
だから、改めて小林監督には受け取っていただいて選考委員として感謝すると共にお祝い申し上げたいと思います。