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特集

日本映画監督協会 会員名鑑

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5年後の宿題

2016年04月05日

FUKUSIMA 双葉は、まだ漂流してるのか?!否!!
原発から3キロの県立双葉高校OB 佐藤 武光

暖かさも日々まし、春を感じさせるこの頃ですが、福島・双葉には、「休校記念事業」なる言葉が飛び交っている、そして「復活=双葉高校」「さあ!休校前の主役は、君だ!=浪江高校」のスローガンが、掲げられている、それだけではない、①浪江高校②浪江津島校、③富岡高校、④双葉翔陽高校、⑤双葉高校の5校は、平成29年3月で休校の憂き目にあう、そして、相馬農業高校、小高商業高校、小高工業高校、富岡養護学校、これらの学校は、県内各地に、現在も移転していて、そして、今までこれらの高校の生徒は、みな親元を離れ、サテライト校に通い、宿泊は、「富士旅館」「サンライズパンション」「下宿星の家」などの民間宿泊施設に泊まり、洗濯掃除を自分でやりながら通った、そして、5年経ち、休校になるのです、

それだけでは無いのです、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町などの小学校14校近く、中学校8校近く、ほぼ全部の小中学校は、5年経った今でも自分の学校には、通えず、移転中なのです、みなさんご存知でしたか?この現実?

若者は、双葉郡には、全くいないということです、多分、永久に戻らないかもしれない?

このことが、双葉郡の未来を象徴してると言える、かもしれない、

そう言いながらも、楢葉町は、去年9月、解除され、帰町宣言しましたが、町民7300名近くの町民のうち、帰ってきたのは300名足らず、しかし、近くのいわき市には5000名近くが、まだ避難している、いや、楢葉町に、通っているというのが正確だろう、なぜなら、自分で安全を実感できないからである、

浪江町などは、①帰還困難区域(一時帰宅以外禁止)②居住制限区域(宿泊禁止一般事業禁止)③避難指示解除準部区域((立ち入りに係る許可不要、宿泊禁止)などに分けられ、24時間入れるところはどこもない、大熊町、双葉町は、もっと厳しいだろう、

なんら進んでいないのである、山々の除染はやらないと国が決めたから、ライフラインの水は、その山のダムから供給されることになるが、雨風で、放射能は、ダムに注がれることになる?

帰還しない町民は、それらを十分知っている、


白い放射線防護服は筆者

これらの現状を?悲しげに謳いあげるマスコミがほとんどだが、地元住民は、現状を認識しながらも、『光を感じながら、仕事ができると、

言い切る地元民も存在する!』

5年の月日は、嘆き節も生み出したが、嘆きは、何も生み出さないということを強烈に学んでいるようだ、若者がいない代わりに40代50代60代の行動は早い?

富岡町のある青年は、ホテル経営をしていたが、ホテルは、津波と放射能をかぶり、新築の自宅も放射能に追われてしまったが、妻と子供を東京の実家に帰し、数千万の借金をして、弁当工場を、いわき市に、立ち上げ多くの避難民を雇い、原発作業員へ物ともせず弁当を日々届けている、さらには、東京に、中古の住宅さえ購入してしまっている、彼のエネルギーと言って仕舞えばそれまでだが、双葉郡の中で、立ち上げたわけではないので、マスコミも、あまり取り上げない、

この彼も双葉高校の僕の後輩である、

浪江町の請戸漁港にあった、鈴木酒造店の酒蔵は、311で跡形もなく津波に流されてしまった、しかし、県の農業試験場に、分析のため預けてあった酵母が、復活させてくれた、その後、山形のつぶれた酒蔵を購入、その酵母で見事、磐城壽を、復興したのである、凄まじいエネルギーである。

双葉町の300年続く地酒『白富士』の富沢酒造店は、原発で近づけない酒蔵に代わる新たな酒蔵を、米国のシアトルに建造している(福島双葉と気候が似ているのだそうだ)?なんとも大胆な企画である、もう軌道に乗ったのかもしれないが詳細は、シアトルなので伝わってこない、

福島双葉の住人たちは、今更避難者と呼ばれるのを嫌がる者もいる、老人や弱者は別として、5年も経って、自分の道を見つけられない奴などホッとけ!!叫ぶ者さえいる!

本音であって本音でないだろう?不安の裏返しという見方もできる、

ただ私が、双葉に帰りながら感じることは、時は刻々と流れる中、未だ、放射能の実態など解明されない、ならば、自然の流れの中で?自分の信じられる勉強を続けながら?自分を信じる、

それ以外に、方法を見つけられない、

つまり、帰りたいものは帰ればいい?帰りたくないものは、帰らなくていい?

福島の食べ物は不安ならば、食べなければいい?

そして何よりも大事なことは、地元民の心の復興で、あることを信じて疑わない、

抽象的な言い方だが、それが、芸能、芸術であろう、

今こそ、双葉郡を舞台としたエンターテイメント映画こそ、求められているように思えてならない、

今の双葉郡にこそ、人間の本質の喜怒哀楽が、住んでいると言える、多くの著名スターたちにお願いし、その企画に着手したばかりである。

私の高校時代の野球仲間の馬場有浪江町長が、浪江会という集会で、『今日、新聞にマスターズ甲子園、双葉高校OBチームが2016年2月6日に、結成されましたという記事を読んで、大変嬉しく思いました、久しぶりに双葉郡に、明るい話題です、是非また甲子園に行って欲しい』と?

こんな何気ない小さな記事に、感激する町長に、今の浪江町を見た??

もうFUKUSIMA 双葉は、漂流などしていない?

この記事は、監督協会会報「映画監督」2016年3月号からの転載です。
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