このページの先頭です

特集

日本映画監督協会 会員名鑑

特集

委員会活動のご紹介 文化史料委員会の先輩監督インタビュー『わが映画人生』

2014年09月30日

委員会活動のご紹介

文化史料委員会の先輩監督インタビュー
『わが映画人生 伊藤俊也監督編』撮影レポート

 日本映画監督協会にはいくつかの委員会(「組織」ページ参照)があり、それぞれ様々な活動を行っています。その一つに、文化史料委員会による先輩監督インタビュー『わが映画人生』があります。その撮影レポートをアップします。(協会会報より転載)

 ☆『わが映画人生』紹介ページ

インタビュー撮影を終えた伊藤俊也監督からエッセイをいただきました。
☆<わが映画人生を語る>
~語り尽きない、尽くせない~伊藤俊也(この項2015年3月31日アップ)

さそりは観念操作だな

平成26年6月5日、文化史料委員会による第146回・先輩監督インタビュー『わが映画人生・伊藤俊也監督編』の撮影が行われました。
この日の主役はもちろん当協会の重鎮・伊藤俊也監督ですが、さらにインタビュアーに崔洋一理事長、カメラマンに日本撮影監督協会の高間賢治さん、撮影現場になった東映撮影所の仕切りに梶間俊一監督と超豪華な布陣!
これを放って置く手は無いと、急遽密着レポートしました!

《撮影当日の流れ》
PM12時30分に東映東京撮影所正門に全員集合。
No17ステージに移動の後、撮影準備開始。
しかし、セッティング中にも関わらず、伊藤さんと崔さんの会話は既にヒートアップ、二人とも待ちきれないのか!
慌ててメイキング用カメラでとりあえず撮影、次々にとび出してくる貴重な話。『本番前にあまりしゃべらないで下さい!』と梶間さんに注意される始末。
『本番ではもっと盛り上がるから』と伊藤さんと崔さん、初っ端から熱いお二方でした。

間もなく、セッティング完了の声。 いよいよ本番開始。
撮影所内を伊藤さんの目線で捉えながら話をしたいと言う崔さんのアイディアで、何と伊藤さんの額に直接ゴープロ(小型カメラ)を据え付け出発!

額にカメラを生やした伊藤さんの周りに、崔さんを始めとした取り巻きがゾロリと合計11人!
奇妙な大名行列に撮影所に居合わせた人々は目を丸くし、率先して(?)道を譲ってくれました。 お騒がせしました!

ちなみにメイン・サブ合わせてカメラが7台! 先輩監督インタビュー史上最多! さて、どんな画が撮れているのか!
一行は撮影所の四方山話をしながら西門を抜けて、隣接映画館のT‐JOYへ。

同館2階に設置されている、東映ゆかりの有名人手形プレートの前で撮影。
ご自分の手形プレートに手を乗せる伊藤さんがキュートでした。

その近くに昔の東映撮影所の空撮写真を見つけ、今は無きオープンセットやプールの話で盛り上がる。
正門を通り所内に戻る。伊藤さんの額に鎮座したゴープロはここでお疲れ。
本館入口にある所内地図を前にして現在と昔の違いを比べる。

次に、割と昔から雰囲気が変わっていない大道具作業場で当時のスタッフの話。
天井近くの壁に作品のタイトルが書かれた木札を見つけて二階へ。
この木札は東映でセットを立てた昭和31年以降の作品タイトルを美術の親方が木札に書き、大道具作業場の壁に掛けてあるもので、ざっと数えたところ約千枚!
伊藤さんもご自分の作品タイトルを見つけ嬉しそうでした。

メインストリートを西に歩きながら、東映東京撮影所の独特の言い回し「坂上(さかうえ)、坂下(さかした)」について語り、多くの作品にも登場する大森坂を下りながらその名前の所以について語る。

ちなみに撮影当日の6月5日は関東地方の梅雨入り、朝から大雨。
しかし、外で撮影をしている間、奇跡的に一滴の雨も降らず。 伊藤さん、崔さんの晴れ男パワーに感嘆しました。
所内をぐるりと一周して、No17ステージに戻る。
ここまでの所要時間約1時間30分。

ステージ内には、平台を14枚重ねた壁が4つ。
その壁面に『女囚701号 さそり』から『始まりも終わりもない』まで伊藤さんの歴代作品ポスターが14枚ずらりと並んでいる。 壮観!

このセッティングにお二人のテンションも更に上がり、いよいよ5時間以上に及ぶロングインタビューが始まる!

インタビューは伊藤さんの少年時代から始まり、戦争体験、学生時代、東映入社時のエピソード、組合活動から作品1本1本まで事細かく語っています。
印象的な言葉を少し拾っておくと―
『良き鑑賞者より、悪しき実作者たれ』
『多く仕事をした監督はマキノさんと石井さん』
『私はここにいる!』
『大泉スタジオ通信は73年11月25日から75年まで』
『岡田茂さんだけは蹴っ飛ばしていない(笑)』
『さそりは観念操作だな』
『誘拐報道のショウケンは・・・・』
『白蛇抄は企画が一番通り易かった』
『花いちもんめが千秋実さんに決まるまでに』
『反米っていうけど、反日でもあるよ』
『言葉の代わりに身体を置いた』
『日劇ミュージックホールで演出してくれって言われたんだ!』

etc・・・

インタビュアーの崔さんもまるで伊藤俊也研究家のように下調べをし、話せば話すほど伊藤俊也ワールドが広がって行く!
午後6時を過ぎたところで、現状大体半分ぐらいの所と踏んだ梶間さんが『このままだと12時過ぎても終わらない、今日は一旦切って明日仕切り直そう』と提案。
まさかの2日がかりのインタビューか!?
しかし当のお二人の勢いは止まらず、『いや、あと一時間で納めるから』と再開。
再開したインタビューは更に広がって行く!
そこに居る全ての人がいつ終わるか全く分からない、しかしそれと裏腹にもっとずっと聞いていたいと感じ始めたころ、約束の時間を1時間30分オーバーして終了。
一同、大仕事をやりきったような、終わってしまうのがちょっと寂しいような微妙な感じ。

しかしと言うかやはりと言うか、二人ともまだ全く話し足りない様子で、その後食事に行っても話が尽きる事はありませんでした!

以上、広報委員会による密着レポートでした。『わが映画人生 伊藤俊也監督編』は、完成後、いくつかの形で上映、放映される予定です。

記事 舞原賢三
写真 金丸雄一


後列左から
東映・阪井さん 応援・茅場監督 広報・舞原 梶間俊一監督
応援・藤山監督 録音・亀井さん 広報・金丸
前列左から
撮影・高間賢治さん 崔洋一理事長 伊藤俊也監督 文化史料・工藤監督・椿原監督