
アニメ監督って何だ!
2007年04月01日
☆アニメ監督ってなんだ! 〜杉井ギサブロー監督/りんたろう監督〜対談
~アニメ監督対談/原稿をまとめ終えて~
「将来絵を書きたい方
タイガープロダクション
電話123-4567」
こんな3行広告だった。アルバイトを探していた時、中野サンプラザの前で拾った新聞だ。
「将来と言う事は、今は描けなくていいのだ」一人決め込み、連絡し、小さなアニメ制作会社の面接を受けた。
「運転免許あるの! じゃ、今日から仕事やってよ」
社長に言われ、その日から会社に泊まり込んだ。3ヶ月、一度も部屋に帰れなかった。
あれから30年、アルバイトは職業となり、仕事の内容は制作進行から演出に変わったけれど、ハードな現場である事に変わりはない。確固たる意志もなかったのに、結果として、アニメーションを選んでしまっていた。
似顔絵すら描いた事が無かった人間が、なんとかやってこられたのは、たぶん、協会のみなさんと同じ映画少年だったから。片田舎の3つの名画座で、年間500本近い映画を見ていた中高時代の脳裏の襞に焼き付いた微かな記憶が、映像演出の仕事をさせたくれたのだと思う。
今回、対談をお願いした杉井ギサブロー監督とりんたろう監督は、大先輩の監督だ。テレビ・アニメーションの創成期から現在もなお、第一線で創作を続けている。両監督とも、とんがっていた。自分より一回り以上も年上なのに、まだまだとんがっていた。そして、叱ってくれたような気がした――
プライドを持って、仕事をしろ! もっととんがれ! と。
アニメーションの演出家は映像監督である。作家であり、映像の表現者である。この数年忙しすぎたせいなのか、そんな当たり前の事を忘れていたような気がする。
職業として、日々の糧を得る手段として、アニメの演出という仕事をしてきたけれど、本当はそんな風に割り切れない仕事だし、割り切ってはいけない仕事だったのだ。知らない間に、ハードな職場の環境に、擦り切れ、慣れてしまっていたのかもしれない。反省。
明日から、僕もまた、もう少しだけとんがって、この映像世界の監督をしていこうと思う。
4月号編集長
アニメーション監督
康村 諒
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