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特集

日本映画監督協会 会員名鑑

エッセー

第7回 『私のデビュー作 パート2』

女池 充 「デビューを小分けに」   

女池充.jpgどうやったら映画をやれるんだろうって考えていた頃、そこにピンク映画がありました。
何か自分の中に具体があったわけではなく、ただ映画をやりたい、男と女の話をやりたい、としか考えられなかった自分にとって、ピンクは最適に思えたんです。友達の協力の甲斐あって、晴れてピンクの助監督になれたわけですが、その頃のボクは、早く半人前になりたいって思ってました。一人前を目指すどころの騒ぎじゃなかったわけです。助監督を初めて四年目、Vシネマの監督の話を貰いました。ピンクがデビューじゃなくなっちゃうんだとか、俺はせめて半人前ぐらいにはなったんだろうかとか思いつつ、先輩たちが喜んでくれたから、無心に監督することができました。今から思うと好き勝手やらせてもらいました。当時は全然気づけませんでしたし、だから今となっても、みんながどれだけ自分の尻を拭ってくれたのか、その実体は掴めないままなのですが、監督をしていて余計な心配事に煩わされないで済んだってことがそのことを証明してます。でも出来上がりは...。どんなことを求められているのかってことを考えろって言われました。それから一年後、今度はピンク映画のデビューの話を貰います。あっ、俺、デビューやり直せる!って思いました。デビューはやっぱり自分のホンだろ、なんて思ってたんですが、一度デビューしていて、一応は反省もしてるわけで、プロデューサーから信頼されている脚本家の人にホンを頼もうって思えました。これが功を奏し、ピンクの新人監督賞なんて貰っちゃったりして...。もうデビューしてるからズッこいのにね。思うに、デビューをやり直せたのはホント、ラッキーでした。一球入魂は苦手なんです。緊張すると眠くなっちゃうんです。失敗してもやり直せる。これじゃ緊張感は生まれないし、弛緩しちゃうんですけど、半人前にとってはそれぐらいでないと瓦解しちゃうんです。小さなことからコツコツと、結局大きなことができませんでした。Donユtyou follow me? でもボクは、三度目の正直、次のデビューの時は眠くなっても緊張して、やり直しが効かないんだって撃沈覚悟で、そしたらみんな笑ってくれるかな?



女池 充(めいけ みつる)


1969年5月11日生まれ 神奈川県横浜市出身

1992年よりピンク映画の助監督としてサトウトシキに師事。96年OV「監禁」で監督デビューを果たし、翌97年の「白衣いんらん日記 濡れたまま二度、三度」でピンク映画初監督。以降、ピンク映画の監督として現在に至る。最新作「濃厚不倫 とられた女」が10月12日より、順次全国公開されます。