このページの先頭です


特集

日本映画監督協会 会員名鑑

エッセー

第8回 『インターナショナル』

白川幸司 「インターナショナルについて」 

白川幸司.jpg映画人が自分の作りたい作品を作り評価を求めるという自然な流れは可能なのか。幸いに私はインディペンデントである。
これまで作りたい作品しか作らない事こそが、自作のパワーでもあったと思う。そして、その力強さが国際映画祭等で評価を受ける点でもあったのかもしれない。一度は「日本映画界とはどこにあるのか?」と嘆いたりもしたし、「自分のインディペンデント性を逆に売りにしよう。」などと夢想したりもした。けれど脚本を書く度に、資金的な限界にぶちあたっている現状。そんな時にHDVという武器がインディペンデント界で注目を集め、幾多の問題は残るが映像の質レベルだけは改善されつつある。


 さて、これからの日本映画のインターナショナルについて考えると、素晴らしい競争力を持つ作品が、次々に誕生すると思う。先に述べた安価なHDVで大量の作品が今後誕生するはずだ。これまでの企画段階で(何故か)蹴られただろう企画でさえ、ポンと作れる。つまり企画検閲をスルーして作品にしてしまえばいいのだ。1本作る資金で数本作れる。作品にしてから売り込めばいい作家主義がやって来るのではないか?あまりに監督達は誰かをアテにして「次の映画作りたいねー」と待機しすぎじゃないのかと思うし、そんな現状をフットワークの軽い、私の様なインディペンデントが攻撃を開始して、下克上の時代を作らなければと思っている。もちろん大量のどうでもいい作品も多くなるだろうが、企画の善し悪しを見分けるよりは、期待出来ると信じたい。


  私のHDVの新作「SPICA」の編集が終わったら、皆さんに善し悪しを判断してもらう為に動こうと思う。国際映画祭などでは、むしろインディペンデント的なテイストがウケたりもするが、私の作品の国内でのマーケットを探さなくては。いや日本映画そのものに私も作品もならねばと、インターナショナル性を乗り越えた日本映画を目指し、決意を新たにしています。

白川幸司(しらかわ こうじ)


1967年12月28日生 宮崎県出身
イメージフォーラム付属映像研究所第20、21期卒。卒業制作が、英の映画評論家トニーレインズ氏に「その年の日本映画界最大の発見」と見出されて以来、すべての作品がバンクーバー国際映画祭で上映、他にもロッテルダム国際映画祭で3作品、香港国際映画祭をはじめ、ドイツ、オーストラリア、アメリカ、韓国、イタリア、タイなどで、毎年数多く上映されている。国内でも劇場公開2作品。キネマ旬報ベスト選出。最新作はHDVに挑んだ「SPICA」。