第12回 『映画監督って何だ!』に巻き込まれた人々
三島ゆき(30代半ばの映画監督たちの一人) 「飯の支度」
"飯の支度"は、特別なものではない。
一日に何回か、当たり前のようにやってくる。 多くの誰かのためにするのか、誰のためでもない自分のためにするのか・・・
たくさんの材料をそろえるのか、手の込んだものを作るのか、焼くだけですますのか、適当に残り物をアレンジするか、はたまた誰も作った事のないごちそう料理を打ち出すか・・・。
どういう支度かは違っても、いずれにせよ、生きている限り必ず何度も、やってくる。
この映画を作る意味、なんてことより「しょうがない。なんだか>『飯の支度』は、特別なものではない。
一日に何回か、当たり前のようにやってくる。 多くの誰かのためにするのか、誰のためでもない自分のためにするのか・・・。よくわからないけどやる人が必要らしいから、手伝いに行く」そんな感じで、現場に向う。とにかく誰かがやらないと完成しない。だけれど実は、ものづくりの現場は、こういう「なんだかよくわからないけど手伝いに来た」人で支えられていたりする。(自分が演出している時に、本当に、そう、思う。)もちろん、著作権の重要性、女性がこの映画に写っていることが誰かに向けて意味があったとか、そういうのもわかってないわけじゃないけれど。
まあ、私の手伝えた事は、デモ隊の役で声高に叫ぶだけというくらいで、ここにこうして書くのもはずかしくてたまらないけれど、現場にいってひとつ思った事は、いつものことだけど"なんかみんな、いい大人が一生懸命で、楽しそうでいいなー"である。自分もほこりにまみれてデモ隊として叫んでいるし。私の役は、60年代学生運動している女子風と言う事で、とっくりセーターにブーツカット、マスクを用意していってしまった。なんとも安易である。結局、なんだかよくわからないけど手伝いに来た人は、みんななんらかの役目を見つけて、それを果たして帰っていく。
生きていれば、"飯の支度"は、必要である。そして、そのこと自体をあまり思い出す事はない。
けれど、思わず思い出してしまう�飯の支度�も、やっぱりたくさんあるのだ。
あとは、できあがった飯を、みんなで食らうことである。
料理長並びに、副料理長、コック、パティシエのみなさま、本当にお疲れ様でした。

三島ゆき(有紀子)みしま ゆき
NHKスペシャル、ETV特集などの人間ドキュメンタリー、「トップランナー」や子供向けドラマの演出を経て現在フリー。
2005年は、新宿タイニイアリス・舞台公演「遮断記~東電OL殺人事件外伝」作・演出。
TBS月曜ミステリー「カードGメン・同姓同名の女達」朝日放送「女と男と物語~負けガエルの夜泣き」テレビ東京水曜ミステリー「約束」などの脚本執筆。 NHKBS「桂三枝のアニメで一席」の「ロボG」「ヒローキッズ」では、実写とCG合成アニメを監督。2006年11月はパルコ劇場では執筆した脚本「女と男と物語~スパイス・イン・ザ・バスケット」上演予定