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特集

日本映画監督協会 会員名鑑

こんな映画祭に行ってきました

アジアの女性映画祭に行ってきた!   山田 あかね


 自分の初監督映画「すべては海になる」(2010年公開)が、2011年の東京国際女性映画祭で上映されたことがきっかけで、2012年春、台湾国際女性映画祭とソウル国際女性映画祭に招待されて、3月に台湾、4月にソウルに行って来た。

 「女性映画祭」とは文字通り、女性監督の映画を上映する。テーマ的にも、女性ならではの作品が多くなる。東京国際女性映画祭はそうでもないけれど、台湾、ソウルともに、「女性であること」をテーマにした作品がメインだった。東京、台北、ソウルと3つの女性映画祭に参加して、一番言えるのは、楽しかった~!ってこと。
 企画者も女性なら監督も女性、観客も女性が多くて、どこでも、女ならではおしゃべりで盛り上がり、にぎやかで居心地がいい。やっぱり同性は気楽で、普段の仕事の時よりリラックスできた。では、東京から振り返ります。

東京国際女性映画祭
2011年10月23日~26日。
上映作品 13本 参加国 7(スペイン、インド、韓国、日本、イスラエル、フランス、台湾)

 アジアの女性映画祭のなかでは、24回を重ねて、歴史は古いけれども、規模は小さめ。台湾、韓国ともに、テーマは女性ならではの性差別やドメスティックバイオレンス、レイプなどが多いのに比べ、女性じゃないと描けないテーマばかりではない。前向きに考えると、日本の映画業界においては女性差別がゆるくなっているから、テーマも自由になっている...とも言える。この時知りあったスペインのアンヘレス・ゴンサレス=シンデ監督は現役のスペインの文化省の大臣で、びっくりした。「映画監督」って基本的に海外ではかなり尊敬される職業だったりするようです。この時、知りあった台湾、韓国の映画祭のディレクターが縁で次の二つの映画祭にも招待されたんだけど、仲間が増えていく感じが良かったなー。

台湾国際女性映画祭
2012年3月8日~11日
上映作品16 参加国6(台湾、インド、香港、フランス、イスラエル、日本)

 こうやって並べると小規模に見えるけど、実は春と秋に2回やっていて、秋はもっと大規模、上映作は80本に及ぶ。映画祭の名前が「women make waves film festival」で、女が新しい波を作る!みたいな心意気が感じられる。だって、観客の半分は女なんだから、監督だって、半分くらい女がやっていいはず。そういう気持ちをびしびし感じた。幸運にも私の映画はオープニング上映で、台北市内のキャパ300人くらいの大きなホールでおかげさまで満席。台北市のお偉いさんもいらっしゃってすごく盛大だった。かなりフェミニズム色の強い映画祭。インド映画「ピンクサリー」は、インドの女性差別の厳しさを描くドキュメンタリー。働かずに暴力を振るう夫、逃げ場のない妻たちを助ける一人の女性の物語。女性差別は全然解決されてないってことを強く感じた。夜になれば、各国の女性監督集まって、女子会のよう。20代から70代までお酒やお茶で男やこの世界への不満をぶつけ合いながら大笑いして過ごした。ソウルでも再会することを約束して、勇気をもらった。

ソウル国際女性映画祭
2012年4月19日~26日
上映作品140 参加国19 (韓国、台湾、香港、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、カナダ、南アフリカ、タイ、アイルランド、シンガポール、インド、イラン、スウェーデン、メキシコ)

 

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2012年のソウル国際女性映画祭にて、
東京国際女性映画祭のディレクター大竹洋子さん、ソウル国際女性映画祭のディレクター、ミヨジョンさんと筆者

 

 

 

 

  とにかく盛大。ソウルの学生街にある町がメイン会場で、どこでも女子大生たちでいっぱい。(男子も少なくなかった)。テーマもずばり「女性問題」。特にレイプを扱ったものが何本もあり印象的だった。やっぱり韓国はまだまだ男尊女卑の圧力が強くて、レイプ問題などは切実なんだと思った。同性愛を扱ったものもあって、映画は娯楽以前に問題提起のメディアであることを思い出した。ソウルの映画祭のディレクターが、「日本の女性監督で6本以上監督したのは、女優出身の田中絹代さんだけですよね」って言われて、ちょっと痛かった。台湾、韓国の女性パワーは強烈。女たちが自分の力で世界を切り開いて行こうとする姿勢に打たれました。日本の、ちょっと気がゆるみっぱなしの環境から来るととてもいい刺激でした。