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特集

日本映画監督協会 会員名鑑

創立80周年・80th Anniversary

2016年05月28日

監督協会80周年記念イベントレポート    小中和哉

日本映画監督協会劇場(2016年2月27~28日)に参加の小中和哉監督からの寄稿です。 監督協会会報2016年4月号からの転載です。

 監督協会の一員に加えていただいて早いもので二十数年経ちました。入会当初はディレクターズサロンなどで協会のお手伝いをする機会も多かったのですが、ここしばらくご無沙汰気味で、70周年の時も不参加でした。今回は久々に関連イベントに参加させていただきました。
 2月26日、浅草ビューホテルで行われた記念シンポジウム「映画監督協会って何だ!」を拝聴。タイトルから想像した内容と違い、監督の著作権獲得をテーマにした真面目なものでした。ずっと監督協会が取り組んでいる問題ですが、このシンポジウムで初めて映像版のJASRACのようなものを設立して著作権料を一括して徴収・分配する案があることや、映画原版保存のための共同アーカイブ設立の必要性について知ることができました。監督以外にもプロデューサー、スタッフ、俳優など多くの利害が絡む難しい問題です。解決への道筋はまだまだ遠いことを感じさせる話でしたが、何とか着地点を見出さないといけない、ということは判りました。
 大先輩の監督たちが受付などのスタッフをされているのに恐縮しつつ、引き続き行われた80周年記念パーティーにも参加。奥田瑛二さんと田中みな実さんの司会で華やかに進行。大宴会場には撮影用クレーンに乗ったカメラの映像が大モニターに映し出され、金粉ショーやラップなどの出し物も賑やかでした。前々理事長・大島渚監督夫人の小山明子さんの御挨拶に襟を正し、パーティー終了後の錚々たる監督たちの集合写真にも参加。日本映画の歴史に立ち会ったような気分になりました。
 翌27日は雷5656会館で「日本映画監督協会劇場」に参加。田崎竜太監督の「仮面ライダー555 パラダイスロスト」と共に私の監督作品「ULTRAMAN」が上映されることになり、主演の別所哲也さんと舞台に上がりました。
 ウルトラマンと仮面ライダーの二本立てなんて他では見られないプログラムです。会場は熱心な特撮ファン(若干の子供たちも)で一杯になりました。
「ULTRAMAN」のストーリーは、航空自衛隊のパイロットがウルトラマンに変身する能力を獲得し、どうして自分がそんな危険を背負わなければいけないのかと葛藤しながらも妻子を守るために怪獣と戦うというもの。自衛隊の全面協力を得て製作しました。初代ウルトラマンの第一話を極力リアルに語り直すという意図で科学特捜隊のような架空の組織ではなく自衛隊にしたのですが、現実的な設定にした分、戦争の話として受け取られると危険だな、と思っています。愛する人を守るために戦う、というのは戦争を正当化する常套句です。ウルトラシリーズは勧善懲悪のヒーローものに潜む危険性にも自覚的で、戦いでは何も解決しない、敵にも敵の正義があり、正義は絶対的なものではないというエピソードを初代ウルトラマンの頃から作ってきました。続いて企画された「ULTRAMAN2レクイエム」という映画ではそのようなテーマで作ろうと考えていたのですが、クランクイン一週間前に製作中止という憂き目に遭い、実現していません。最近の日本の状況を考えるとそのようなテーマの映画がますます必要だと感じています。上映後のトークではそのような話もさせてもらいました。
 映画上映の合間に行われたヒーローソングのミニライブは異常な盛り上がりで、普通の映画上映イベントでは絶対に見られないものでした。
 80周年記念イベントに参加させてもらい、私自身様々な刺激を受けました。運営に関わった皆さまに感謝します。