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特集

日本映画監督協会 会員名鑑

監督、新作を語る

第2回  短編映画 『福島さん』  荻野欣士郎

私の新作「福島さん」は福島県の現状を擬人化して描いた作品です。土地を擬人化?そうなのです、福島県が女性として登場するのです。悲しくも放射線物質として。

この映画の企画は地震直後にたちあげました。映画には訴える力があります。映画はエンターテイメントでもあるけど、時代を象徴するシンボルでもある。この映画に現在の怒りと未来への希望を込めようと思い、結果、GW中のまだ混乱している福島県でロケを敢行。福島原発30キロ圏内でも撮影をしました。

猪苗代湖周辺の野口英世記念館でロケをさせてもらいました。たまたま新聞で「風評被害で人がきていない」という記事を見つけ、ここで撮らないと!と思い、連絡をとらせてもらい、実現したのです。

映画では野口英世の研究への態度と視線から考えをスタートさせました。

実はここで福島さんが着物をはだけるシーンがあります。博物館でそんなことをしてもいいのだろうか?でもエッチなシーンではなく、とても意味のあるシーンなのです。こっそりと、さくっと、ただし大胆な場所でそのシーンを撮影。後々、記念館の学芸員の方が作品を観てくれたとき、「野口先生のことをよくわかっている」と言ってくださって、はだけるシーンのことは何も触れませんでした。問題なし!と喜ぶのと同時に「もっと時間をかけてはだけるシーンを撮ってもよかったかな」と心の中で思うのは監督業の悪い癖です。

ちなみに野口英世記念館はとてもいいところです。猪苗代に行かれた時にはぜひ!

映画のラストシーンは実際にデモを行い、それを撮影しました。警視庁で許可をもらいにいくと、不思議なことに撮影のためにデモを行うのはダメで、デモを行ってそれを撮影するのは大丈夫だということ。当日は台風の中、日比谷公園から東電本社前、数寄屋橋とデモを行いました。初めて知ったのですが、デモ行進をしているとき、警察が信号をすべて青にしてくれるのです。止まること無く交差点をずんずんと行進が出来るのです。至れり尽くせりとはこのことです。「STOP無関心」と掲げたデモ自体も成功し、また数寄屋橋交差点で力のある映像がばっちりと撮影できました。

最後に真面目な話し。ワタミの社長である渡邊美樹さんが「夢に日付を」とおっしゃっています。今の日本に「安全と安心」という夢に日付が入るのでしょうか?この映画はそのことを考えてもらうために創りました。賛否両論多いにどうぞ。観て、考えて、話して、そして世の中を変えてもらうためにこの映画は創りました。

9月3日から9日まで高槻セレクトシネマにてレイトショー。東京では9月21日?23日に板橋のサブテレニアンという演劇スペースにて上映。

どんな会場でもどんなイベントでも次の世代のためになにかを考えようというところにお邪魔します。ぜひご連絡をお待ちしています!新作の宣伝を語る...でした。

miss.fukusima@gmail.com